Linux入門

Linux入門

みなさん、Linuxに入門したいと思ったことはありませんか?私は先日、Linuxに入門しました。今年は私にとって「Linuxデスクトップ元年」です。そんな私の体験談をここに記してみようと思います。

きっかけ

私は現在、WEB開発企業への転職を目指す、エンジニア未経験者です。ゲーム用に使っていたWindows PCに、WSL2(Ubuntu)を導入し、その中で開発をしていました。最近はNeovimをインストールし、その設定をするのが日課になっています。そんなある日、ふと気付きました。 「WSL2に閉じて作業しているなら、Windowsは要らないのでは?」 そんな気付きが、Linuxデスクトップに入門するきっかけになりました。

ディストリビューションの選択

まずはインストールするディストリビューションを選ぶ必要があります。これはほとんど検討せず、Ubuntuにしました。理由のようなものは特にありませんが、「WSL2で使っていたのがUbuntuだったから」というのが大きいです。

しかし、Ubuntuをインストールし、セットアップをする中で「私には合っていないな」と感じました。

タイル型ウィンドウマネージャー

私は、タイル型ウィンドウマネージャーについて興味がありました。一般的なデスクトップ環境はフローティング型ウィンドウマネージャーと呼ばれ、ウィンドウを自由なサイズで重ねて配置できます。一方、タイル型ウィンドウマネージャーは、ウィンドウを画面いっぱいに広げて配置し、ウィンドウ同士を重ねないことが基本です。その代わりに、完全にキーボードでウィンドウの操作ができるため、マウスを使う頻度が大幅に減ります。それにより、作業効率が向上すると言われています。

タイル型ウィンドウマネージャーには、i3wmswayなどがあります。しかし、swayはNVIDIA製GPUに対応しておらず、i3wmは硬派すぎて私には合わないと感じました。Ubuntuには一般的にそれらのタイル型ウィンドウマネージャーをインストールして使うことになりますが、私にはハードルが高すぎました。また、Ubuntuのセットアップにかなり疲弊していたこともあり、簡単にセットアップできるディストリビューションを探すことにしました。

Pop!_OSとの出会い

そんな中、Pop!_OSというディストリビューションに出会いました。Pop!_OSはSystem76という企業が開発しているUbuntuベースのディストリビューションで、NVIDIA製GPUに対応したISOイメージが提供されています。また、デフォルトでタイル型ウィンドウマネージャーが搭載されており、私のニーズにぴったりでした。しかも、ショートカットでタイル型とフローティング型を切り替えられるのも、タイル型が初めての私にとって魅力的でした。他にも、Dockが下部にあり、Windowsライクな操作感が得られるのも良かったです。

しかし、インストールで大きくハマりました。私のGPUはGeForce GTX 1080です。しかし、Pop!_OSのNVIDIA版イメージは、GeForce 16シリーズ以降向けのイメージです。それを知らずにNVIDIA版のインストールを試みたため、インストール後の初回起動でエラーが発生し、トラブルシューティングに時間を要しました。最終的には通常版のイメージをインストールし、NVIDIAドライバを手動でインストールすることで解決しました。

Pop!_OSのインストールでは、Ubuntuのインストール時にパーティションを分割していたため、簡単にディストリビューションを切り替えることができました。具体的には、root, boot, swap, homeの4つに分割していました。これにより、homeパーティションをそのままにしておけば、ユーザーデータを保持したままOSを再インストールできます。

Pop!_OSの使用感

Pop!_OSを使い始めてから2ヶ月が経ちました。Pop!_OSではキーボードショートカットに関する操作がWindowsとは異なり、私の常識が覆されました。特に、<Super>(Windowsキー)を多用する点に驚きました。Windowsでは、Windows 10以降に実装された、新しいショートカットに<Super>を採用されることが多く、普段から使うショートカットは<Ctrl>や、<Alt>が多いです。

しかし、Pop!_OSでは、<Super>を使うショートカットに便利なものが集約されています。

Pop!_OSのショートカットの例

  • <Super>t: ターミナルを起動
  • <Super>b: ブラウザを起動
  • <Super>: アプリケーションランチャーを起動

タイル型ウィンドウマネージャーの操作にも、<Super>を使います。詳細な操作は公式ドキュメントを参照していただきたいのですが、基本的に<Super>を起点にマウス操作をせずにウィンドウの操作が完結します。これも非常に便利で、マウスを使う頻度が大幅に減りました。

タイル型ウィンドウマネージャーのショートカットの例

  • <Super>h: 左のウィンドウにフォーカスを移動(hjklはVimの移動キーに準拠)
  • <Super>m: ウィンドウを最大化
  • <Super><Enter>: ウィンドウアジャストメントモードを開始(ウィンドウのサイズ変更や移動が可能になる)

マウスを使う頻度が減ったのは私にとってかなり大きな変化です。Windowsでは、基本的にウィンドウ操作や、アクティブなアプリケーションの切り替えにマウスを使っていました。アプリケーションの切り替えは<Alt><Tab>でも可能ですが、どのアプリケーションがアクティブになるか分かりづらく、結局マウスのみを使う運用になっていました。しかし、Pop!_OSのタイル型ウィンドウマネージャーでは、<Super>hjklキーを組み合わせてウィンドウの切り替えができ、ブラウザもVimium拡張を使うことで、キーボードのみで操作が完結します。これにより、作業効率が大幅に向上しました。

まとめ

当初は単にLinuxに入門したいという軽い気持ちで始めたことが、結果的に私の作業スタイルを大きく変えることになりました。特に、タイル型ウィンドウマネージャーの導入により、キーボード中心の操作が可能になり、作業効率が向上しました。正直、Linuxデスクトップの入門よりも、タイル型ウィンドウマネージャーの入門が私にとって大きな収穫となりました。

Pop!_OSは私のようなLinux初心者にとっても非常に使いやすいディストリビューションであり、Linuxデスクトップに入門したい方に強くおすすめしたいです。タイル型ウィンドウマネージャーに興味がある方も、ぜひ一度試してみてください。きっと新しい発見があるはずです。また、Linuxデスクトップの入門と同時に、Nixの学習も始めました。Nixについてはまた別の機会に紹介したいと思います。

これからもLinuxデスクトップの魅力を探求し続けたいと思います。みなさんもぜひ、Linuxデスクトップの世界に足を踏み入れてみてください。